歯周病治療① 歯周病とは

こんにちは。玉川歯科医院の玉川誠一と申します。

今までは歯内療法、歯の神経をとったりする話だったのですが、今日は視野を大きく変えた話をしたいと思います。今日は「歯周病」、これの話をしようと思います。
そもそも論として歯周病とは何でしょうか。虫歯とは何が違うのでしょうか。

虫歯イラスト
虫歯の進行

虫歯は歯についた汚れが蓄積し、汚れのなかにいる細菌によって、歯に穴が開いたりする状態を指します。

虫歯は見た目も黒く、視覚的に理解しやすいですね。虫歯が酷くなると、前までお話ししたような神経を取る話をせざる得なくなります。

一方で歯周病。
歯についた汚れが原因なのは虫歯とほぼ同じです。

汚れがたまって、歯茎から血が出て、歯がぐらついてきて、噛みにくくなって、そのうち抜けてしまう、このような状態を指します。歯周病は感覚的には掴みにくいかもしれません。

歯ぐきから出血するイラスト

歯周病の初期症状の一つとして歯茎からの出血が挙げられますが……

なんで歯茎から血が出るのか。

実は、歯茎で自分の免疫と細菌がバトルした結果、歯茎から血が出るようになります。

歯の汚れ、プラーク(歯垢)はご飯粒の残りが溜まってるというわけではなく、プラークは細菌があつまってできたものです。それが歯と歯茎の際のところにたまると、自分の体は細菌が入ってこないように防御しようとします。

歯のイラスト

プラークの細菌と自分の免疫細胞が衝突すると、免疫細胞はサイトカインという信号を出して仲間を呼ぼうとします。

このサイトカインが出て、ほかの免疫細胞を呼んで細菌と戦う過程で、戦場となる歯肉は充血損傷して出血しやすい状態になります。

歯のイラスト

さらに細菌が多い状態が続くと、より細菌と免疫の戦いは激しくなっていき、歯肉からの出血以外にも歯を支える骨が吸収されてなくなります。

骨がなくなると歯がぐらついてきて、ついには痛みがでてきたり、最後は支えきれなくなって抜けてしまう、という状態に至ります。

骨吸収

虫歯は歯がなくなる病気、歯周病は歯を支える骨がなくなる病気なのです!

ここまで歯周病とはそもそも何のかという話をしました。

そんな歯が抜けるなんて大げさなと思われるかもしれませんが、
2018年に厚労省が全国2,345の歯科医院で行った全国抜歯原因調査結果によると抜歯に至る理由で最も大きい要素(37.1%)が歯周病であることが分かっています。

さらには抜歯するほど骨が吸収されることは、歯が抜けたあとの入れ歯を作っても適合が悪いことの理由にもなりえます。

歯が抜けた後にインプラントをしようにも、過度な骨の吸収は埋入の時にインプラントオペの難易度を上昇させる場合もありえるので、いかに歯周病を予防するかが大事です!

次回はこれをどう予防するか、どういう取り組みを当院でしているかの話をしようかと思います。

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